休日はミニベロに乗って

趣味の自転車(特に小径車・折り畳み自転車)についてもっと知って、さらに楽しい休日を。このブログを通じて初心者サイクリストの輪を広げていきたい!

初心者のためのツール・ド・フランス講座 4時限目 紳士協定

プロスポーツはどれもフェアプレイの精神のうえに成り立っています。そのフェアプレイも単にルールを守るというだけではなく、それを越えた紳士的なプレイが観客を魅了する部分でもあります。

 

例えばサッカーでは、選手がケガなどで倒れるとボールを持っている相手チームの選手が、わざとボールをピッチの外に出してプレイを止めるような光景が観られます。敵チームが1人動けないのだから絶対的に有利であるはずなのに。

そしてプレイが再開されると、プレイを止めてくれた相手チームにボールを渡してからが実質的なリスタートになります。もちろん、こんなことをしなれけばならないというルールはありません。「勝利への執念」と「正々堂々」のバランスがとてれいるから、サポーターも感動し称賛を送る。

 

モータースポーツでもカテゴリーの高いレースになればなるほど、前の車を追い抜く際、相手の進路を塞ぐことなくしっかり一台分のスペースを空けてスムーズに抜いていく状況がはっきりわかります(わかるケースが多いです)。実にクリーンなファイトです。命の危険と隣り合わせのスポーツだからこそ相手との信頼関係がなくてはギリギリの闘いは出来ないのでしょう。

 

ロードレースにもいわゆる紳士協定は数多く存在します。比較的レース時間が長いのとレースごとにコース環境が異なること、何より欧州で歴史のある人気スポーツであることから暗黙の了解事項は多いのかもしれません。

 

ではどんなルールがあるのでしょうか。矛盾した言い方ではありますがルールではないので、これ!というものはありませんが、一般的に認識されているものをいくつかご紹介いたします。

 

1.暫定総合一位の選手がいるチームが先頭集団を走る。

先頭集団を走ることは他のチームを牽制しレース全体をコントロールすることです。飛び出すチームがあればそれを潰しにかかるなど、レースをコントロールしならればならないということはチームにとっては大きな負担となります。

 

2.集団で走るときには先頭交代に加わる。

集団の先頭は最も体力を消耗するポジションです。ですから交代でその役割を担うことは暗黙の了解事項です。集団の中において先頭を牽かず体力を温存することは最も非難を受ける行為となります。

ただし、逃げ集団を潰す目的でその集団に加わり、あえて先頭交代に加わらない(逃げ集団を崩壊させる)ことは戦術としてはあり得る行為です。

 

3.メイン集団にいる有力選手のトラブルやトイレタイムではアタックしない。

パンクや落車、トイレタイムにあえてアタックする行為はフェアプレイの精神に反するとみなされています。

 

4.総合優勝を争っている選手は、ステージ優勝のチャンスが訪れたときでもゴールスプリントに加わらない。

ロードレースでは、集団でゴールした場合には集団全員が同じタイムでゴールしたとカウントされます。ですからステージ優勝してもしなくても集団内にいればタイムは変わりません。競り合いによる落車等のリスクを回避する意味でも、ゴールスプリントには加わらないのが通例です。

 

5.逃げ集団はポイントを分かち合う。

ステージレースでは途中に山岳ポイントや中間スプリントポイントが設けられており、通過順にポイントが付与されます。他のチームのメンバーを混合した逃げ集団が形成された場合、互いに協力し合わないと逃げ切ることができず後方集団に呑み込まれてしまうことになります。それを避けるため、逃げ集団内で通過順位を調整(譲り合い)しながら集団を維持します。

 

他にもいろいろあります。またレースごとに特有のものもあるようです。

更に、これらのルール?もレース展開次第では、必ずしも守るべきものではないこともあります。状況に応じ適当に対応していくということになりますが、この辺を知っているとレース観戦中の摩訶不思議が解消され、より興味をもって観ることができると思います。

 


 

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