休日はミニベロに乗って

趣味の自転車(特に小径車・折り畳み自転車)についてもっと知って、さらに楽しい休日を。このブログを通じて初心者サイクリストの輪を広げていきたい!

ありがとうと言えない日本人

狭いサイクリングロードを走っていると前をサイクエリストがスピードを落としながらギリギリまで避けて道を譲ってくれることがあります。

1台分の隙間しか空いていない車止めに対向車(ロードバイク)と同じタイミングで差し掛かると道の譲り合いになります。

こんな時、口から出る言葉は大抵「あっ、すみません!」

悪いことをしてる訳じゃないから謝るのはおかしい。頭では「ありがとう」と言うべきであるということわかってる。でも、咄嗟の時、口からでる言葉はすみません・・・。

 

私は以前、仕事の都合で海外赴任していたことがあります。北米の比較的大きな都市でした。言葉は当然英語。そこではSorryなんて言葉は滅多に使わない。赴任直後は言っていたような気もしますが・・・。

Sorryは本当に悪いことをして迷惑をかけた時に謝る言葉。彼らはちょっと悪いことしたなと思う程度ではSorryという言葉は使わなかったですね。それは全ての否は私にありますと言っているようなもので、相手を気遣って軽い気持ちで言った言葉でも重大な告白になってしまうこともあるようです。

ただし、英語にはExcuse meという言い回しがあるので、これが日本人の言う悪いことをしたとき以外に使う「すみません」に最も近いのかもしれません。

 

逆にThank-youは、とてもよく使うフレーズ。英語が堪能でない私が海外で生活するにあたって、周囲の人が気を遣い、いろいろサポートしてくれたということは勿論あるけど、それを差し引いても、日本で言っていた「ありがとう+すみません」の数より毎日はるかに多いThank-youを言っていたと思う。

 

私の住んでいた地域では路線バスが主な交通手段で多くの人が利用していました。システムは都バスと同じで、前から乗って降りたい時にブザーを鳴らすと次のバス停で停車してくれるので後ろの乗降口から降りるというもの。そして乗客の多くはバスを降りる際、運転手に向かってThank-youと声をかけるんです。

後ろの乗降口からだから大きな声じゃないと聞こえないのでバス停の度に車内にThank-youが響き渡ります。それはとてもいい雰囲気で私はバスに乗るのが好きでした。

私も最初はなんだか恥ずかしくて言えなかったり小声でささやく程度だったけど、次第に普通に言うようになっていましたね。

 

それから、よくこんなことも感じていました。

私は海外で道を尋ねた時に断られたり無視されたりしたことがありません。むしろお節介なほど、丁寧に教えてくれることが多いように思います。

では、逆のパターンではどうでしょうか。日本で外国人が誰かに道を尋ねようとしているのは素振りをみてればわかりますよね。でもみんな、お願い私に声をかけないで!って迷惑そうな顔をしてはいませんか。

 

逃げてしまうのは英語でちゃんと説明できないからだと思いますが、道を教えるくらいなら片言の英語で十分伝わるはずです。そんな日本人をみて外国人はどう思っているんでしょうかね。

 

日本はおもてなしの文化だというのが日本人の常識になっていますが、私はあの「オ・モ・テ・ナ・シ」に対する報道に違和感を感じていました。果たしてその心がちゃんと伝わっているのかと。 

 

では、単に日本人が気持ちを表現するのがヘタなだけなのかというと、それだけではないように思います。

ありがとうに関して言えば、きっと日本人は相手が仕事でやっていることに対しては、それが当たり前だから、「ありがとう!」とは言わない。

一方で欧米人は自分にとって、有益なことをしてもらったときには「Thank-you」と言うのではないかと思いましたね。

国民性の違いと言ってしまえばそれで終わりですが、自分は当たり前の事だと思ってやっていることでも、ありがとうと言われると気持ちいいですよね。

 

帰国後は意識的に「ありがとう!」と言うようにしています。同時に「すみません!」と言わないようにも。

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